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「四条金吾釈迦仏供養事」

盂蘭盆会を執り行いましたところ、皆さまには亡き方々ために、万難を排してご参詣になられました。御本尊様が皆さまの思いを、それぞれの方のもとに届けて下さいます。ご先祖をはじめとする亡き方々が「ありがとう」と感謝されていることと拝察いたします。

お盆は、亡くなられた方の来世の幸せを願うために、三千年前のインドで始まった行事です。遺された私どもの追善供養によって、亡き方は来世の善き処に生まれ変わる功徳が受けられる、と日蓮大聖人様は教えて下さっております。また、亡き方の来世を願う仏道修行は、私たち自身の功徳になることも説かれております。お盆のご案内に記しましたように、

『四条金吾釈迦仏供養事』で、

①「経文に不知恩の者は横死有りと見えぬ。孝養の者は又横死有るべからず」 (御書・995頁)

と教えて下さっております。意は「経文には、恩を知らない者は殺害や災害で死ぬ、と説かれている。このことから孝養の者は横死することはない」というものです。

ここに引用されるのは華厳経の、「衆生有りて報恩を知らざれば多くは横死に遭いて地獄に生ぜん」とあるものです。大聖人様は、この恩を知らない者を誡める経文から、「したがって・だから、恩を忘れない孝養の心を持つ人は天寿を全うすることができる」と肯定的に言い換えて、孝養に励むことを勧めて下さっております。

「恩を忘れない」と説かれる「恩」は親の恩に代表されます。しかし、仏法では、国土世間、つまり環境世界への報恩も説かれております。恩を忘れないことは、感謝の心を忘れないことです。有り難いと言う思い、感謝の心は不慮の死を免れる因となります。

「身土不二」と言う言葉は、私たちの身体と国土が一体であることを教える仏教の言葉です。故に、国土の恩を忘れない人は、環境世界への感謝の心がある人は、自然災害などでの「横死」を免れる、と説くのが仏教です。

国土を構成する空気や水、土や植物は言葉を発することはありません。私たちがしたことに、そこはダメだ、そんなことをするな、とは言いません。ですから、私たちが思いをめぐらすことが大切です。自然災害で命を落とすのも、人間が中心、との考えや行為に少なくない原因があるからです。環境世界、国土世間にこそ「忖度」しなくてはなりません。

ご参詣の皆さまは、「恩を知る」方ばかりです。「感謝の心」をお持ちだから、物言わぬ亡き方のために、日ごろから丹精された貴い浄財を御本尊様に御供養なさり、追善供養に精進されております。朝夕読誦する寿量品に説かれる「更賜寿命(きようしじゅみよう)」すなわち、更に寿命を賜る功徳、元気で長生きする功徳に浴する素敵な修行であることをご自覚下さい。

地震や洪水などの自然災害や、人心の荒廃による殺人事件などが頻発しております。このような世上であればなおさら「孝養の者は横死有るべからず」を心に刻みたいものです。

私たちは、偶然ではなく必然、因果応報を信ずる仏教徒です。中でも末法の御本仏日蓮大聖人様の弟子檀那です。三世を信じ自他ともの幸せを願い精進を重ねてまいりましょう。世の中から不幸を根絶することを目標とする広宣流布への行動を起こしてまいりましょう。

厳しい環境ではございますが、日蓮大聖人様の教えを信じ、南無妙法蓮華経と唱えることで必ず乗り越えることができます。ご参詣の皆さまのご活躍とご健勝をお祈り申し上げます。

『法蓮抄』に曰わく。

②「法華経と申すは一切衆生を仏になす秘術まします御経なり」  (御書・815頁)

※「横死」を辞書には【殺害、又は災害などにて死ぬること。非命の死。非業の死。変死(病死に対す)『大言海』】【自然の天寿を終わるに対し、非業に死するを言う。殺害又はその他の災害にて死するなど。『本化聖典』】等とあります。

(盂蘭盆会[聖寿801年]にて)