広布唱題行拝読御書 聖寿803年12月1日 『四条金吾殿御返事』(新編御書・1,180頁)
日蓮は少きより今生のいのりなし。只仏にならんとをもふ計りなり。されども殿の御事をばひまなく法華経・釈迦仏・日天に申すなり。其の故は法華経の命を継ぐ人なればと思ふなり
【通解】
日蓮は若いときから今日にいたるまで、今生の祈り(地位や名誉が欲しい、財産が欲しい)はいたしません。祈ることは一つ、仏になることだけです。しかし、四条金吾殿のことはいつも法華経・釈迦仏・日天(御本尊)に祈っております。なぜならば、あなたは法華経の命(御本尊の命じられた「折伏」の精神)を受け継ぐ人である、と思うからです。
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【解説】
この御文をいただいた当時、四条金吾は大聖人の信仰をしていることで同僚から讓言され、主君から疎まれていました。そしてついには、「信仰を捨てなければ出仕を禁じ、領地を取り上げる」という厳しい状況に追い込まれたのです。このような状況にある四条金吾に対して、大聖人様は次のように励まされました。「日蓮はあなたのことを祈ります。あなたは広布のために闘っている人です。広布のために必要な人だからです。」
四条金吾は、自身の強い折伏の熱意と大聖大様の祈りによって、やがて鎌倉中の大々から「江馬家の家中では四条金吾が第一の家臣である(趣意・御書・1,197頁)」と言われるまでになりました。その結果、領地も以前の倍となるなど、精神的・物質的の両面で大きな功徳を受けたのです。
この御文は、四条金吾の姿を通して、広宣流布のために精進を重ねるならば、必ず御本尊の大きな加護を受け、願いを成就できるという確信を与えてくださるものです。
地球規模で政治や経済が変調をきたしている現状は、末法の世であるからこそ当然のことかもしれません。そうであれば、唯一の正法を堅く受持することで、私たち自身の道を切り開くだけでなく、周りの大々をも導くことができるようになります。慌ただしい年末を迎えていますが、使命を胸に抱き、新しい年に向けてさらに精進を重ねてまいりましょう。
(広布唱題行[聖寿803年12月1日]にて)