『上野殿母尼御前御返事』 (御書・751㌻)
人のためによる火をともせば人のあかるきのみならず、我が身もあかし。されば人のいろをませば我がいろまし、人の力をませば我がちからまさり、人のいのちをのぶれば、我がいのちののぶなり。
◇大聖人様はこの御文で、人のために尽くすことが自分の幸福や成長につながるという普遍的な真理を示されております。これは「共に生きる」という価値観を、私たち一人ひとりが持つことで、社会全体の発展を支える力になることを御教示下さるもので、最近の国際情勢からも、大聖人様の仏法の正しさがより明らかになっています。
◇ 国際協力の必要性
「人のために火をともす」ことは、グローバル化した社会にあって、気候変動、貧困、パンデミックといった問題を、一国だけで解決するのではなく、各国が協力して取り組むことを教えて下さるものです。この精神があれば、結果的に各国自身の利益や安定をもたらすことになると言えます。気候変動対策を例にとれば、途上国への技術支援は、先進国にも恩恵をもたらすことに、疑いの余地はありません。
◇ 資本主義経済の課題
「人のいのちをのぶれば、我がいのちののぶなり」との御教示は、資本主義の競争原則による過度の利益追求が、社会的不平等や環境破壊を招いていることへの警鐘と拝することができます。企業は利益を追求するだけでなく、従業員や地域社会、地球環境の持続可能性を第一にした、真の「ステークホルダー資本主義」などを強力に推し進める時です。
◇ 自己中心的な社会の限界
「人の力をませば我がちからまさり」とのお言葉から、一部の国が保護主義や孤立主義的な政策を進める中、短期的な利益にとらわれることが、長期的には国際的な信頼低下や経済的損失をもたらすリスクの高さを学ばなくてはなりません。他国と協力し、他国の反映が自分たちの繁栄につながることを銘記すべきです。
大聖人様の御文は750年前のものですが、「人のためは自分のため」という「利他」と「共生」の精神は、持続可能な社会が叫ばれる今日の指針となる御教えです。この御文から、経済活動や国際関係においての、短期的な利得ではなく、地球全体の絶対的幸福を目指す広宣流布の闘いが、間違っていないことを確信します。
気候変動も不安定な国際情勢も、私たち一人ひとりの心の表れです。これを正すのは「南無妙法蓮華経」とお題目を唱え、折伏をすることです。励みましょう。精進を重ねましょう。
([向陽2月号]にて)